高齢者の趣味④ – 俳句の本を出版

福岡市東区にあるデイサービスさんぽ道の利用者の方が俳句の本を出版されたそうです。

趣味に対する思いを聞きました。

思い出や日常の風景を俳句に綴って70年

本を出されたのは、宮崎すみさんです。福岡市内の句会にも所属していて、これまで福岡県知事賞などを受けた経歴を持ちます。そんな宮崎さんが本を出しました。題名は、「宮崎すみ集」です。

句集には、これまでに詠んだ作品およそ300句が収録されています。日常生活の中で感じたことや家族の思い出などが俳句としてつづられています。私が趣味の取材をしているということで今回は、時間をいただき、宮崎さんにお話を伺いました。

つぅ

これまで数々の作品を世に送り出してきた宮崎さんですが、今回の作品は特に思いが深かった作品だそうですね。

宮崎さん

はい。これまで数々の作品を生み出してきましたが、今回の句集「宮崎すみ集」は、公益社団法人俳人協会からの推薦をいただいてできた本ですので本当にうれしかったです。

つぅ

そうですね。毎年協会からの推薦で本を出すというのは、ほんのひと握りの方だけですからね。ところでいつ頃から俳句を始められたのでしょうか。

宮崎さん

18歳の時ですね。父が俳句を詠んでいたことがきっかけでした。

つぅ

今、89歳ということですので俳句を詠んで70年になるということですね。

宮崎さん

気がつけば、そうなりますね。

つぅ

宮崎さんが思う「俳句の魅力」とは何でしょうか？

宮崎さん

まずは季語ですね。日本には春夏秋冬という季節があります。詠むことで、そしてその句と出会うことで季節の移ろいを感じることができます。また、17文字という中で表現される作品ですので言葉を選ばなければいけません。それも魅力になっています。

つぅ

日本語は、ほかの言葉と比べると表現の幅の広さが違いますしね。日本語の美しさを感じることができるのが俳句なんでしょうね。ちなみに、作品はどのようにして作っていらっしゃるんですか？

宮崎さん

俳句を作ろうと思って作るものではありません。日常生活の中から浮かんでくるといいますか、自然とできるようなものなのです。

つぅ

最後になりますが、宮崎さんにとって俳句とは何でしょうか？

宮崎さん

逃げ場所であるとともに「救いの場所」であると思っています。日常生活で嫌なことがあっても俳句を詠んでいると楽しい気持ちになるので。楽しい時も詠んでいますが……。これからもたくさんの作品を生み出していこうと思います。

つぅ

宮崎さん今日はありがとうございました。

取材を終えての感想

優しいまなざしで１つ１つの質問に答えてくださった宮崎さん。デイサービスを利用しているときも、俳句のネタになるなと感じることも多々あるそうです。

男性が詠むと男らしく仕上がり、女性が詠むとしなやかで柔らかな表現になる俳句。その素晴らしさを感じたと同時に、趣味を続けることで深みがますのかなと思いました。