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県外の実家の近くか福岡の老人ホームにするか迷う時

曽根 るみ

自身も高齢の母親の介護をしながら、福岡本部にてお住まい相談員業務を高齢者家族の思いに寄り添い専門性の高い施設提案を行う。 全国の自治体・社協の講演・病院やケアマネ向けの勉強会等講師としても活躍中。

よく相談されることが多いのが、今まで住み慣れた実家の近くの老人ホームにするのか、子供たちの住んでいる福岡に呼びよせて老人ホームに入居するのかを悩んでいるというケースです。

この場合、どちらの地域の老人ホームもその方にあったところをご提案しますが、福岡の老人ホームは料金も安くて建物も新しく、サービスも充実したところが多いのも確かです。

私は、親をどの地域の老人ホームに入居を進めてゆくかは、介護度や病気の内容により判断されることをお勧めしています。

たとえば、脊髄の癌で終末期医療を在宅で受けているお母さんとその介護をしているお父さん80代の両親の相談があったのですが、この場合、まだ介護認定をどちらも受けていないと伺い、すぐに介護申請をするようにお勧めしました。

また、「お母さんの主治医に相談して、福岡に移送することができる状態であるかをご確認ください。」と、お話ししました。
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具体的には「できるだけ早く介護認定を受け、福岡の病院の紹介状をもらい、並行して子供さんの自宅と転院先の病院との近い場所の24時間看護師がいる、自立のお父さんも一緒に入れるところの見学をしてみることから進めてみましょう。」と、提案しました。

また、注意点としては少しでも早い決断をして、お体が移送に耐えられる早い時期に進めなければ、それも叶わなくなるかもしれないと現実的なお話をしました。

癌の方を何人も老人ホーム入所のお手伝いをしましたが、介護認定を受けてその後介護区分の変更申請を毎月のようにしてゆくけれど、追いつかないほど体力や機能が低下されてゆく方が多いのも事実です。

ご両親ともに「孫に会いたい。」といつも言われている方の場合は、とても喜ばれるかと思います。
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また、癌が骨に転移していたりされている場合は常に痛みがあり、進行するほど痛みの訴えがひどくなります。

老人ホームの場合は訪問医に緩和の相談をして対処できる限り、普通の生活が送れます。きっと少しでも長く一緒にいたいのはお母様だけでなくお父様も同じではないでしょうか。

ずっと二人で生活をされて、食事に介護にとがんばったお父さんも食事と介護から解放されて、素敵な思い出作りの時間を過ごしていただけるのではないでしょうか。

無理に同居をいきなりすると、慣れない大家族での生活は行き詰まるため、穏やかな生活とはいかず、お互いにストレスの多い生活になるのではないでしょうか。

そうではなく、親がまだ元気なケースで地元にお友達が多いとか、親戚が多い方の場合はご両親が地元に残りたいといわれることも多く、可能でしたらできる限り地元の老人ホームに入所することを検討されてはいかがでしょうか。

以前のご相談で、東京にいる転勤族の息子さんが福岡の両親を呼んで、転勤することになった沖縄に同居することになり、友達ができるのではないかとの思いから、デイサービスに行くことを薦められたそうですが、そのうち両親ともにふさぎ込んで、デイサービスにも行きたくない、家から外出もしたくないとひきこもるようになり、親戚の多い熊本の施設に夫婦で入りたいと希望されるようになったとのことでした。roujin_party

原因は言葉の問題で、お年寄りほど方言が多くて沖縄の言葉が全く通じず、孤独感を感じてよそ者としての扱いを受けていると思い込んでしまったためでした。

このように、言葉の壁や地方色になじめない地域差・料理の味付けや郷土食など、思いもしないところにお年寄りは安心や快適さを感じたりストレスになったりするのです。

さまざまなケースがご家庭ごとにありますし、どうするかの決断もそれぞれですが、できるだけいろんなケースを思い出しながら、少しでも快適な今後の生活を親御さんにしていただけるようにご提案したいと思っています。

 

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