今回は、転倒の予防と対策を考えていきたいと思います。
年をとると、骨がもろくなり、骨折や転倒のリスクが高まります。
そしてたびたび骨折すると、その後の生活が変わりますます介護の負担も大きくなります。
そのため、普段の生活の中で転倒を予防していくことが大切です。
転倒の現状を知っておこう!
転倒・骨折は、要介護状態になる原因の第5位となっています。
寿命が延びるにつれて転倒・骨折は今後ますます増えることが予想されます。
高齢者が骨折しやすい部位は大腿骨近位骨折(足の付け根の骨折)です。
しかも最も治りにくく、車椅子生活を余儀なくされるなど、その後の生活に大きな影響を及ぼします。
転倒する方向と骨折の関係!
・前方への転倒
とっさに手をつくことにより手首を骨折したり、足首を骨折することが多くなります。
・側方への転倒
手首、肩、太ももなどの骨折が多くなります。
・後方への転倒
腰や胸の圧迫骨折が発生しやすくなりますが、頭部を地面に打ち付けることになるので、生命に関わる重篤な障害が発生する危険性もあります。
転倒によって亡くなる人のほとんどが、後方に転倒したことによる脳挫傷が原因と推測されるので特に注意が必要になります。
転倒の原因!
転倒の原因として、「内的因子」と「外的因子」の二つに分けられて考えられています。
内的因子
・加齢や移動能力とバランス能力の低下
・特定の病気(脳卒中後遺症・パーキンソン病、認知症、視力障害など)
・薬剤による薬理作用(睡眠薬、多剤の服用等)
外的因子
・段差、滑りやすい床、履物、つまずきやすい敷物、電気器具のコード類、照明等
病気による影響や、薬による副作用など、身体的や、環境面における様々な要素が考えられることになります。
普段からこれらのことを留意し、転倒を未然に防ぐことが重要になります。