相談内容
相談者
地域包括支援センターからウチシルベを紹介された女性からの紹介
キーパーソン/知人の女性(姪)
ご相談内容
今回の入居をお手伝いしたのは86歳の女性Aさんでした。Aさんは神奈川県西部に住んでいましたが、その賃貸マンションの管理会社から突然姪である福島県中地域在住のOさんに連絡が来て、「本人の賃貸借契約書の更新するために連帯保証人が必要」だと告げられたそうです。そこでこれを機にOさんが自宅に近いエリアで介護施設を探すことになりました。
元々Aさん本人は結婚をしておらず、お子様がおられません。そんな状況のなか、不動産会社から行政、行政から委託を受けた司法書士が血縁を調べるところとなり、30年以上お互いに連絡先も知らなかった相談者のOさんに連絡が入ったようです。
Aさんは比較的健康だったため、一度も介護サービスなどは受けておられませんでした。また神奈川のお住まいには長年一緒にいた内縁の夫の男性もおられたのですが、その方は歩くことも出来ず、認知機能も低下していたものの、そこが単身用の賃貸マンションであったため、人目を避け、ひっそりと暮らしておられ、彼もまた介護サービスなどは受けておられませんでした。
ご本人たちの意向もあったものの、地域自治体の高齢福祉担当の職員達も、彼女たちの存在自体を把握出来ていなかったのです。
希望する条件
・福島県中地域
・月額費用15万前後(単身の場合)
《 ご提案 》
当初は、伯母本人だけの施設を探しており、相談者のOさんが数回会った様子をヒアリングし、自立に近い方であると判明したので、自立でも受け入れてくれるサ高住を探しました。
・お部屋が比較的広いサービス付き高齢者向け住宅A
・お部屋に浴室のついた/サービス付き高齢者向け住宅B
結果見学をしたのは上記の2施設でした。
《 申込からご入居 》
・見学の結果、お風呂が室内についていることが決め手となりBを選ぶこととなりました。当初の予定通り、伯母単身での入居で話を進めていましたが、内縁の夫の親類とは誰とも連絡が取れない状況で、一人で残す訳にもいかない状況になったため、偶然、夫婦部屋に空きがあったためそちらに変更しました。
・健康診断に関しては、神奈川の自治体の協力の元、自費の介護サービスを使い、二人とも受けていただきました。
・本来、実態調査の為に一度本人達を施設まで連れて来たかったのですが、コロナウイルスの影響等によりそれが叶いませんでした。
《 ご入居後 》
・入居当日はお二人とも若干の戸惑いもあり、特にこれまで朝起きる習慣もなかったため、朝食の時間に起きることが出来ませんでした。
・住所地特例(住所を移す前の市区町村が引き続き保険者となる特例)措置を使い、保険者である今お住まいの地域へ認定調査の依頼を行い、入居先の地域包括支援センターの方が代わりに認定調査を行い、今ではそれぞれの状態に合わせた介護サービスを受け、快適に日々を過ごされています。
《お住まい 相談員として 》
お住まい相談者も本人達も高齢者向け住宅に住むことや介護サービスを受けるためのことも初めてで、不安や戸惑いを感じながら話が進んでいきました。また、施設側も実態調査を行えずに入居を迎えるにあたり、多少慎重にならざるを得ない部分もありました。
元の住所地の行政の職員さん達も短い期間ではありましたが、積極的に関わっていただき、健康診断の手配や司法書士さんの紹介などをやっていただきました。
私は、神奈川まで行った訳ではありません。しかし、姪っ子さんが本人達に会っていた様子を聞いていると、50年以上寄り添った人と急に別々の暮らしになるのはどうなのか?その時は良くても後々精神的な不安感がそれぞれ沸き上がったときにどうなってしまうのかが心配になりました。立場上、『二人とも入居させた方がいい』と、無責任なことは言えません。内縁の夫の方の件も含め、入居の可否は運営会社様がお決めになることです。そもそも姪っ子さん自身も当初は男性に対して不信感を抱いておられましたということもあり、伯母様単身の入居を検討されていました。男性の親類は同様に司法書士さんが探せども見つかりませんでした。
申し込んだ後、姪っ子さん自身が、『男性も連れて来たい』という意思を示されたことが個人的に嬉しかったです。理由を尋ねると、『男性は気持ちを言葉で表現しないが、とても寂しそうな態度に見えた』とのことでした。運営会社さんとすれば、伯母様だけが先にお亡くなりになってしまった後のこともあります。その身元保証なども姪っ子さんは快く引き受けられました。そんなお優しい姪っ子さんに寄り添うべく、引っ越し、契約、住民票の異動、認定調査の委託など手配やお手つだいをさせていただきました。
入居後の本人達の幸せそうな表情が姪っ子さんの救いになったと思いたいです。高齢者向け住宅への入居はケースよってはとても大変な労力を要す場合があります。だからこそのお住まい相談員で在りたいと思いました。