認知症が少しある方の場合、入院していると心配事があるとそのことがずーっと気になってしまいます。
84歳のAさんもそうでした。
一緒に暮らす次女さんが介護に疲れ果て、周りの勧めでAさんは社会的入院をしました。
Aさんはお薬と自宅のことが気になって、10分置きくらいに長男さん、長女さんにも電話をして確認していました。
(Aさんの電話の回数が多く、お二人も疲弊してしまい、「充電しましょう」と夜は病院が電源を切ってくれるようになりました。)
数年前にデイサービスの見学をしたAさんですが、「あんなところに行きたくない」と拒否をされました。
あんなところとは、みんなで歌を歌ったりするところとのことです。
在宅生活を望むAさんですが、次女さんとの関係性悪化のため、長男さんの自宅近くで施設を探すことになりました。
施設はスムーズに決まったのですが、長男さんはAさんが施設の方へ失礼な態度をとらないか大変気にされていました。
「Aさんに病院へ会いに行くのは、施設が受入をできるかどうかの判断ではなく、
どんな介護が必要かを確認したり、お母様にお会いするだけなので大丈夫ですよ」
とお伝えしても長男さんの不安はぬぐえません。
長男さんがご不安な様子でしたので、今回は病院での面談に私も同席させていただきました。
結果はスムーズに進みました。
長男さんはAさんへの介護をしたことがないので、不安ばかり募っていたのでしょう。
Aさんは介護認定の調査は拒否されたそうですが、施設の方にはなんの拒否もなかったそうです。
(もちろんAさんには「施設」という言葉は使わず、家に帰る前の「リハビリするところ」と伝えています)
Aさんからの「よろしくお願いします」という言葉には長男さんも拍子抜けしたご様子でした。
まれに「私はそんなところに行かなくて大丈夫」とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、
認知症のある方はそういう風におっしゃる方は多いので施設の方はそこまで大きく問題視されません。
ご家族は心配だと思いますが、面談はしてみないと分かりません。
私たち相談員も何がベストかを考えますし、施設の方も考えて下さります。
どうぞ安心して施設探しをお任せください。