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高齢者の健康 ① 

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入所される方、ご家族の方の笑顔を想いながら、日々前向きに取り組んでいきたいと考えています。

老人性うつ病について

○老人性うつ病の特徴

老人性うつ病にはいくつかの特徴があります。

・一見、軽症のように見えるが発症すると症状は長引く

・一度治っても再発しやすい

・若い世代のうつ病とは異なり、遺伝的、内因的要素の影響が少ない

などが挙げられます。

かわりに老化に伴う脳機能の低下や、生活の変化など環境的な要因に

よるもの、身体的な疾患が原因で始まるものが多くなっています。

老人性うつ病は脳の機能低下を除けば環境的要因の影響が強いということになります。

うつ病患者100人のうち、60人が発病の前に大きな生活の変化を体験し、

それが元になった、いわゆる精神的ダメージが大きかったという事例が報告されて

います。

つまり、老人性うつ病は環境を整えることである程度予防もできるということです。

 

上川

○若年性と老人性うつ病の比較

 

若年性    老人性

 

【行   動】   活発でない  多動

【不安・焦燥】   内向する   訴えが多い

【心気症状】   あまりない      訴えが多い

【妄   想】   ある       ある

【食欲不振】   ある       ある

【不   眠】   ある       ある

便秘        ある        ある

その他       特にない    発熱・脱水

感染症      特にない     多い

薬の反応     薬効は高い   副作用が強い

回復・再発    個人差がある  回復が遅く再発しやすい

上川2

○老人性うつ病の特徴は身体的症状の訴えが多い

 

老人性うつ病の特徴は身体的な症状を訴えるケースが多いという点です。

主な訴えは、肩こり、頭痛、耳鳴り、吐き気、不眠、痩せるなどですが、この他にも

腹痛、胸の痛み、関節痛など体のあちこちに痛みを感じています。

いずれも原因となる疾患はないのに、体の不調を訴えることを心気症候群といいますが、

これも老人性うつ病の大きな特徴の一つです。

老人性うつ病にかかった人はよく記銘力の低下を訴えます。今聞いたこと、やったことを

すぐ忘れてしまうというのが記銘力の低下といわれるものです。

これは認知症の初期によくみかける症状なので専門医でも誤診することがあると言われて

います。

ほかにも認知症と老人性うつ病の区別はなかなかつきにくいものですが、うつ病の場合は

知能検査での記憶の障害は認められません。

うつ病の場合では、症状が改善されれば記憶の障害も取り除かれていきます。

うつ病の重症期には認知症ともみられるような知的障害がありますが、これも記憶の

障がいと同じようにうつ病の回復につれて改善されます。

いずれにしろ、認知症とうつ病とは違いますので、専門医に早めに相談し、うつ病が認められた場合は、早期の治療を受けるようにしましょう。

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