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高齢者 秋の生活②  ~低栄養の定義と対策~

亀山 奈美恵

これから高齢化社会が続く中で、少しでも多くの高齢者の方のお役に立てればと思い、今まで培ってきた経験を活かし、たくさんの方の思いや希望を叶えられるようにご本人やご家族、たくさんの方の笑顔を見る為に、安心して生活できる様に全力でサポートしていきたいと思います。

一般に高齢者の低栄養の目安は、血液中のたんぱく質の量を示す「血清アルプミン値」が3.5g/dl未満である事が一つの目安とされています。

定期的に健康診断や血液検査をされている高齢者なら、数値の把握は容易ですが、そうでない場合は、以下を目安とします。

BMI指数

BMI指数(※)が18.5未満、あるいは半年間で体重が3%以上・ないし2~3kg減少したら、低栄養のリスクがあります。家族から主治医に体重減少が気になる旨を伝えてもらったり、疾病との関連で栄養制限がある方の場合、管理栄養士による居宅療養管理指導の必要も考慮しましょう。

食事

アルプミン値を低下させないためには、良質のたんぱく質をとる事が重要です。良質のたんぱく質とは、8種類ある必須アミノ酸を多く含んでいるたんぱく質のことで、肉、魚、乳製品など、主に動物性の食品や豆腐に多く含まれてます。これらと、必須ビタミンを豊富に含んだ野菜を組み合わせた献立を工夫しましょう。

食事は五感で食べるもの

食事

 

 食の五感

味覚 = 食べ物の味

触覚 = 食べ物の食感や歯ごたえ、熱い、冷たいなどの温度、

食器や食具の手触り・歯触り

嗅覚 = 食べ物の香り

聴覚 = 食べ物を噛む音、食器の触れ合う音

視覚 = 食べ物の色や形、食器の色や形

食事は、味覚だけではなく、五感で食べるもの。たとえばニンニクを使った炒め物や砂糖醤油が焦げるにおいは、誰もが「美味しそう」と感じるもの。食欲がない時期は、あえて「におい」で誘ってみるのも一考。さらに、夏ならひんやり冷やしたガラスの器や、一片のスイカをデザートにして用意し、あらかじめテーブルに出しておくことで、「目が欲しがる」効果を利用してもいいでしょう。

食事から式の変化をも感じることの出来る日本人の繊細な味覚は、単に献立の内容だけではなく、食器や盛り付け、供するときの温度、食べやすさ(食材の大きさ・噛みやすさ)なども、食事を楽しむ重要な要素です。

また、栄養管理が心配という方や、独居で十分な食事を準備できないという方は、普段の食事に加えて、便利な濃厚流動食などを取り入れてみるのもいいでしょう。

病院で術後の回復期などに用いられている高栄養・高カロリーの流動食は、今では一般向けに飲みやすく改良したものも数多く出回っています。デザート感覚で冷やして飲んだり、食事と一緒に取れるスープタイプなど、お好みに合わせて用意するとよいでしょう。

目安は100ml程度の小さな紙パック入りのものが約200kcal。これなら、一食分を感触出来なかった時に、おやつ代わりに飲んでいただくだけで、栄養補給になります。

 

家族の食卓

次回:高齢者秋の生活 ③ 筋肉量・筋力が減少する病とは?(サルコペニア)

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