近年、医療の進歩によって治る病気・怪我が増えてきました。課題があるのはそこから先です。どのようにして以前の生活に戻れるか、ということです。高齢者に多い脳梗塞や骨折。これらは発症後のリハビリがその後の生活を左右します。
リハビリ=リハビリテーションとは、生活機能の再建のことを言います。リハビリには3つの種類があります。まずは理学療法です。日常生活の中で必要な動作能力(立つ、座る、起きる、歩く等)の回復の為にトレーニングを行います。マシンを使ったり、マッサージも行います。次は、作業療法です。基本的な動きをふまえて、日常生活動作(食事、トイレ、入浴等)の練習を行います。最後は言語療法です。言葉によるコミュニケーションに問題がある場合に訓練を行います。また食べる、飲むといった行為の訓練も行います。
このようにその方の状態に合わせて医師の指示により専門職がリハビリを行います。ただし、病院等では最小限のリハビリで退院後もおこなう必要がある場合もあります。また、加齢による体力・筋力の衰えもあり、特に高齢者にとっては病気・怪我に関わらず必要になることが多くあります。
最近では施設によっては、マシンを導入したり、理学療法士がいたりとリハビリが充実しているところも多くあります。もちろん、設備も大切ですが私が介護をしてきた中で感じるのは、生活リハビリの大切さです。日常生活にリハビリを取り入れることです。何も難しいことはなく、日々の中で体を使うのです。例えば、トイレに行く時に全て介助をするのではなく、立位はご本人にして頂く、もしくは立位を介助してズボンの上げ下ろしをして頂くなど。ベッドから車いす、車いすからベッドへの移動する時も同じで、動作の一部分をご本人にして頂きます。リハビリ室で決められた時間だけ運動するよりも、よほど効果的でした。もちろん両方を行えばかなり短期間で機能向上ができます。
「できること」と「していること」この差が大きい方もいらっしゃいます。それは認知症をお持ちの方によくあります。気分のムラや感情が不安定な時、作業が長続きしないという特徴があるためです。この場合はご本人が興味を持たれていることを生活リハビリの中に組み込みます。そうすることで、少しずつ差がなくなっていくのです。
このように、リハビリと一言で言っても、その方法は色々あります。身体機能の向上は生活の向上といっても過言ではありません。その方に合ったリハビリをおこなえる環境が必要になります。
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