離れて暮らす親の介護

東京や大阪などの大都市圏には、故郷に年老いた両親を残して暮らしている方も少なくありません。体力や時間があまっている若い頃ならいざ知らず、両親の介護を考える年齢となるとなかなか自由に時間も作れないのではないでしょうか。会社で責任のあるポストについている方も多いでしょうし、子育て・教育などにまだまだ手がかかる主婦の方もきっとたくさんいるはずです。

遠距離で暮らす親の介護

子どもたちが独立した後も、親が元気なうちはたまに帰省する程度だと思います。故郷が離れていれば尚更頻繁に帰省するのは難しいでしょう。しかし、親に介護が必要となったとき介護者として様々な環境を整えていくのは子どもたちです。

独立した子どもたちはそれぞれのライフスタイルがあります。親にもどのように老後生活をしていきたいのか希望があります。今ある生活を守りながら、親の望む形で介護をすることはできるのでしょうか。

子どもが独立した後の親の生活

子どもたちが成長し、独立して家を出たあとも、住み慣れた家と慣れ親しんだ街での生活を望む高齢者が多くいます。最近は介護保険サービスが充実してきたため、要介護度が低くある程度のことは自身でできる場合は、常に介護者が居なくても十分生活することは可能です。

しかし、要介護度が重くなるにつれ、介護保険サービスでは24時間の生活を補うことができず介護保険サービスを利用している以外の時間は家族の介護が必要になります。

それを機に住み慣れた自宅を手放し、子どもと同居を始めたり、施設入所をする方も居ますが、やはり慣れた環境から離れたがらない場合が多いです。また、子どもたち家族が同居のために引っ越すのも、勤め先や学校などの関係から簡単に転居できないのが現状で、介護者が遠くから介護のために通うことになるのです。

遠距離介護のメリットとデメリット

親の介護が必要になったときに、あえて遠距離介護を選択する方も居ます。そのメリットは、要介護者の親も介護をする子どもも、現在ある生活環境をそのまま続けることができることです。

しかし、デメリットが目立ってしまうのが遠距離介護です。遠いからこそ連絡が取れないだけでも心配になり、様子を見に行くのも時間や日にちがかかってしまうなど、緊急時にすぐに駆けつけて対応することが難しい点はお互いにとって大変不安なところです。また一番の問題は資金面です。

離れた場所に行くためにはガソリン代、航空機、鉄道、バスなど利用するものによって交通費が必要になります。それだけでなく、介護用品の購入や住宅改修、介護保険サービスの使用料などは、側で介護をできる場合よりもより充実させた内容にするためにはその分費用が高くなります。

また、頻繁に連絡をして様子を聞いたりする通信費というように側にいたら必要のない費用がかかってしまいます。

＞関連：なぜウチシルベは無料で老人ホームを探してくれるの？
 

離れていても安心できるサービス

介護保険サービスを利用しても、１人になる時間が多ければお互いに不安や心配が大きくなります。しかし、要介護度によって利用できる限度額が決まっており、それを超えてしまうと自己負担が増えてしまいます。実は、介護保険サービス以外にも離れて暮らす親を安心して見守れる方法があります。

例えば、ホームセキュリティーなどの会社を利用し緊急通報や異常を察知して自動通報するシステムや弁当や牛乳などの宅配の際に安否確認をしてもらえるサービスの利用です。

ガスや湯沸しポットの利用状況を連絡してもらえる制度もあります。また、ご近所の方々やボランティアの方に状況を伝えて、郵便物が溜まっていないか、調子は良さそうかなど生活している様子を見ながら状況に変化があれば連絡をもらえるように協力してもらうことも良いでしょう。

遠距離介護にはデメリットが多くあります。しかし、大変な介護だからこそ様々なサービスを利用しながら介護される側も、する側にとっても納得して少しでも安心できる方法を選択することが大切です。

老人ホーム入居もひとつの選択肢

遠距離介護が長期間にわたった場合、親を自宅へと迎え入れる、介護をする方自身が親の近くへの転居（Uターン介護）、そして信頼できる高齢者施設を探しての施設入居などの選択肢があります。こんなとき、施設は家族だけが抱え込んでいる大きな問題に手を差し伸べてくれる存在にもなりえます。どの道を選んだとしてもご家族の決断ですし、正解はないものかもしれませんが、ときには視野を広げて考えてみることも大事なのかもしれませんね。

施設を効率よく探すには？

離れて暮らす親が心配だから老人ホームを探したい…でも頻繁に帰省するのは難しい…そんなお悩みを抱えている方もこちらから無料で相談可能です。
離れて暮らしている親の介護施設や老人ホーム探しをお手伝いできます。見学日の調整や細かい手続きもお住まい相談員が代わりにしてくれるので時間も手間もかけずにスムーズに入居先を見つけることができます。