農村コミュニティでの介護生活。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第二十二回

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農村コミュニティでの介護生活

介護・福祉


2017年05月24日

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ポキさんの認知症。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第二十一回

農村に押し寄せる少子高齢化の波。

こんにちは、ミチルです。今回は「この村でポキさんの面倒を見るのは、もう無理」と、僻地での介護に危機感を抱くようになった経緯をお話します。

突然ですが、私の住む町は2040年までに存続が危ぶまれる「消滅可能性都市」です。あれよあれよと減り続ける人口と少子高齢化の波に、身寄りのない家族3人が住み続けるのは困難と感じています。

私が子どものころ、この辺りでは三世代同居なんてザラでした。我が家は、ポキさんが最初の婿に逃げられ、2番目の婿に早死された女系家族だったため「二束三文のオンナシ家族は黙ってろ」と、村社会で冷遇されてきましたが、一般家庭の高齢者は大切にされ、居場所があった時代でした。

あれから四半世紀、一般家庭内の力関係は、いつのまにか逆転したようです。私の住む地域は、いわゆる農村ですが、専業農家は激減し、じいちゃん、ばあちゃんは畑仕事、息子夫婦は勤めに出るというケースが多くなりました。しかし高齢化が進んだ昨今、野良仕事ができなくなった年寄りは、車の運転を取り上げられると家に閉じこもるしかなくなります。外出したくとも路線バスは廃止され、自転車ではどこへ行くにも遠すぎるからです。

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その上、人が減ったため老人会は廃止、縁側でお茶飲みといった昔ながらのつきあいもなくなってしまい、近所で年寄りを見かけることはほとんどありません。そして、家族が気づくころには時すでに遅し、「うちのじぃさん、最近おかしくなってる」といったあんばいです。

ところが、同じ市内でも市街地では老人会や町内会、福祉センターでのサークルやイベントなどシニア世代も活動的で、アクセスの悪い農村地との格差は広がる一方。まさに「農村コミュニティの崩壊」とでもいうのか、東京近郊に位置しながら限界集落まであと一歩といったところです。

 

このまま「ボケ逃げ」?

こんなシビアな現実が身近に迫っていても、ポキさんはまったく意に介しません。私が「老老介護目前だからね。私だっていつまで運転できるかわからないし、こんな不便なトコいたら共倒れ。そうなる前に引っ越さないと」と警告したこともあったのですが、聞こえないふりでやり過ごすだけ。彼女は自分の生家で、私や姉に死ぬまで面倒を見てもらおうという魂胆なのです。「そういうの“ボケ逃げ”っていうんだよ。あなたの母親(私の祖母)が30年前にしたのと同じね。さすが親子」と皮肉っても、「まんまが食べれれば儲け、あったかいフトンで寝れれば儲け、あとは知らねー」と開き直っている彼女にはカエルの面に水なのでしょう。

「あなたは、まだ幸せなほうよ」と呆れたら、「アイヨ!」と答えたポキさん。こうして、ポキさんと私たち姉妹の攻防は続くのでした。

 
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中高年ドライバーのジレンマ。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第二十三回


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ミチル
埼玉在住のアラフィフ。翻訳家、ライター。 30年ほど前、育ての母を介護するため大学を 中退した元祖ヤングケアラー。現在は、縁の なかった産みの母ポキさん(83歳)が認知症 となり、2度目の介護をスタート。 都心の外資系OL生活から一転、数十年ぶりに 閉鎖的な田舎に引き戻され、七転八倒の日々。 2016年、放送大学卒業。
ウチシルベ