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常同行動はその人らしさのあらわれ

常同行動はその人らしさのあらわれ

介護・福祉


記事公開日:2018/03/26、 最終更新日:2019/01/04

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老人ホームで迎える最後の誕生日

 

今回は大正生まれのお嬢様だったDさんのお話をさせて頂きます。

 

気高い心を忘れない永遠のお嬢様

Dさんは色白でお顔のしみが他の方と比べて極端に少なくて「陽の光に長い時間あたったことがないのよ」という言葉を本当かもしれないと、思わせられるくらいでした。

しっかり独立歩行でき食事も自分で摂れたのですが、認知症はかなり進行が見られたため、自宅での介護は難しかったのだと思います。

 

お箸は上手に使えるのに、お風呂で自分の身体を洗うことやトイレで大をすることなどは難しい。そういった意味で、日常生活を送るために多くの援助を必要とされている方でした。

トイレ介助は男性を嫌われ、特に夜間は女性の介助者でなければ叫ぶほど拒否されていました。そうした恥じらいを持ち続けたDさんは、男性介助者にとっては大変な相手でしたがとても女性らしいなと感じていました。最後までそうした部分を失わずにいらっしゃったことこそ、誇り高いお嬢様だったDさんらしさだったようにも思います。

 

ピンク色がお好きで、いつも上下ピンクのスウェットを着ておられたDさんは、ホームの廊下を延々と歩いている姿が印象的でした。そのホームはぐるりと廊下を一周できる構造になっていたので、Dさんはよくぐるぐると廊下を周回しておられました。

 

話かければ足を止めてくださって会話できるのですが、二言三言ことばを交わしているうちに「じゃあ私は行かなければいけませんので」と言って、また歩き出されるのです。

「どちらに行かれるのですか?」とお聞きすると、その度に答えが変わっていました。

ある時は「お客様を迎えに」行かれていて、ある時は「息子のところに」行く最中で、あるときは「病院に向かって」いるところでした。

そうやって歩かずにいられないという様子でいらっしゃいました。症状としては常同行動という名前のついたもので、なかでもDさんの場合は「同じ動作・行動を何回も繰り返し続けてしまう」というものでした。

 

 

ホーム内をぐるぐると回っておられるだけで、大きな問題ではなかったためDさまの足元が不安にならない程度に見守ろうというのがホームの方針でした。

 

 

一年、二年と歩き続けるうちに、Dさんは右に少し傾いて歩かれるようになりました。ホーム内で歩かれる時、かならず右の手すりを持って歩いておられたためでした。何度か左回りで歩いて頂けないか働きかけたりもしましたが、どうしても右周りの方が気持ちが安心されるようで、逆回りは定着しませんでした。それでも変わらず、Dさんはホーム内を周回し続けられました。

 

常同行動はその人らしさのあらわれ01
トイレの声掛けも食事の声掛けも、前からさも偶然に居合わせたような感じでスタッフが「ああ!Dさん!探していたんです。お食事ができたので行きましょうか」といった内容で行っていました。そうすると比較的自然に誘導することができていました。不思議と後ろから声を掛けられるのはあまりお好きでなかったことを覚えています。

そうして自力歩行が困難になるまで、Dさんは来る日も来る日もホーム内を周回し続けられたのです。

 

私は偶然に出会った風に声を掛けたときのDさんの「あらま~」と言って笑うお顔が好きでした。周回している時は無表情なのですが、声をかけると何年来の友達に会ったように笑ってくださるのです。

 

「こうしたい」気持ちを否定しない

常同行動に対しては、いろんな対応の仕方や考え方があります。

今だったらもっと違った対応策を考えたのかもしれません。

ですがご本人の中から生まれた自然な「こう行動したい」という気持ちに添えていたのではないかなと、思っているのです。それなりの広さとバリアフリーを兼ね備えた施設だったからこそできた、おおらかにその人らしさを受け入れたケアだったのではないかなと。

 

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