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高齢者の結晶性知能について

記事公開日:2016/01/19、 最終更新日:2019/11/08


高齢者の結晶性知能について

年を取るに連れて「人の名前がなかなか思い出せない」「若い頃よりも頭の回転が遅くなったような気がする」と感じている人は多いのではないでしょうか。私自身もクイズ番組を見ていて有名人の名前が出てこなかったり、暗算が苦手になったりと年齢を重ねるにつれて脳の働きが鈍くなったように感じることがあります。このような能力の低下は決して気のせいではなく、確かに年齢を重ねると何かを思い出したり、瞬時に計算したり、新しいことに対応することは難しくなってきます。

しかし、高齢者の中には「自由な時間が出来るようになったから興味があったことを学んで見たい」と高齢者大学や市民講座などで学んだり、新たに習い事を始めるなど新しいことに挑戦する人も見かけます。また、高齢になったことで能力の低下を感じる方が多い一方で、文学や芸術、政治などの分野では若いときよりもむしろ高齢になってから業績を残す方も非常に多いです。これらのことを知能の面から考えてみたいと思います。

結晶性知能とは

私たちは日常生活において様々な問題を解決しながら生活しています。「料理をつくる」「買い物をする」「車を運転する」「整理整頓をする」「パソコンやスマホを使う」「ATMでお金をおろす」など日常生活を支える知的な能力のことを「知能」といいます。

心理学者レイモンド・キャッテルは知能についての研究をおこない、知能を結晶性知能と流動性知能に分類しました。

結晶性知能というのは学校で受けた教育や仕事・社会生活の中で得た経験に基づいて形成される知能のことであり、言語能力や理解力、洞察力などがあります。経験することによって形成される知能のため年齢を重ねることによって増えていくのが特徴です。

結晶性知能は大人になってからも経験とともに増加し高齢になってからも安定して残ることがわかっています。知能は年齢とともに低下しやすいと考えがちですが、結晶性知能は高齢になってからも維持することが出来ます。

流動性知能との違い

レイモンド・キャッテルは知能を結晶性知能と流動性知能に分類しました。結晶性知能が個人の長年にわたる経験や教育、学習から獲得される知能であるのに対し、流動性知能は新しい環境に適応するために必要な知能で、新しい情報を獲得し、それを処理・操作していく能力のことを言います。具体的には直観力や法則を発見する能力、スピーディーな処理能力などがあげられます。

計算を例に両者の違いを見ていきましょう。

簡単な足し算、引き算といった問題を勝負した場合、学生チームと高齢者チームではどちらが勝つでしょうか。おそらく学生チームが圧勝するでしょう。このような知識や理解を必要とせず反射神経を必要とするような勝負では高齢者は若い人に勝つことは出来ません。

しかし、経理の計算となるとどうでしょう。当然、学生も高齢者も経理は未経験です。突然膨大な資料を渡されて売上や利益を計算しろと言われた場合、高齢者が職場など社会で培ってきた知識を総動員し何とかしようとするのに対し、社会経験が不足している学生は知識がなく、何をすれば良いのかわからず混乱することでしょう。

前者のスピード勝負は流動性知能によるところが大きく、後者の経理の勝負は結晶性知能によるところが大きくなります。

結晶性知能は高齢になっても安定している能力なのに対し、流動性知能は10代後半から20代前半と若いうちにピークを迎え、その後は低下の一途をたどるとされています。高齢な方が「頭の回転が鈍くなった」「新しいことが覚えられなくなった」と感じるのは主に流動性知能の低下が原因と考えられます。

結晶性知能と認知症との関係

高齢期の知能の中でも結晶性知能は特に認知症予防や認知症の症状を抑えるのに重要な知能と言われています。高齢期に高い結晶化知能を維持していると加齢で低下しやすい流動性知能を補うことができ、推理力や判断力、発想力、記憶力といった流動性知能と結晶性知能の両方に関連した知能を保つことが出来ます。

結晶性知能が高い高齢者は語彙力が保たれるためコミュニケーション能力に優れ、日々誰かとコミュニケーションをとることで脳を無意識のうちに活用し認知能力を維持することが出来ます。また、コミュニケーション能力が高いと人と触れ合う機会が多くなり、一緒に趣味を楽しんだり、食事をしたり、旅行に行ったりとアクティブな日常生活を送りやすく、楽しく過ごすことで認知能力の低下を予防することが出来ます。

認知症を発症してしまった場合、流動性知能は大きく低下するものの結晶性知能は比較的保たれます。家族の名前を思い出せない場合でも、料理や趣味など長く経験してきたことは可能な場合が多いです。認知症になると周囲の人は出来なくなったことばかりに注目しがちですが、出来ることに注目し出来ることを日常の役割として果たしてもらったり、出来ることを楽しんでもらうことで精神的にも満たされ、認知症の進行を予防することが出来ます。

結晶性知能を鍛える方法

結晶性知能は学習や経験に基づいて形成される知能です。そのため、好奇心を持って色々なことを学んだり経験したりすることが結晶性知能を鍛えることにつながります。

新しいことに挑戦してみる、趣味を楽しむ、読書をするなど多くのことを経験することが結晶性知能となります。近年は高齢者の生きがいづくりのため各自治体が様々な取り組みをおこなっています。趣味やスポーツが楽しめる高齢者向けのクラブ活動や、働く意欲がある高齢者に対して仕事を紹介するシルバー人材センター、高齢者大学、シニアカレッジにおける学習、教養活動などがその例です。上手に活用することで高齢になってからも様々なことに挑戦することが可能です。

新しいことに挑戦する際に重要なのは好奇心を持っておこなうことです。「好きこそ物の上手なれ」というように好きなことはすぐに結晶性知能として脳に記録されます。

知能をよりよく保つために

知能には結晶性知能と流動性知能があり、結晶性知能は高齢になっても保たれることを説明しました。しかし、実際には高齢者が獲得してきた結晶性知能のありようには大きな個人差があり、高い能力を維持している方もいれば低下している方がいるのも事実です。高齢になっても知能を維持するためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

大事なのは抑うつ的にならないこと

ある研究によると抑うつ状態にある場合には結晶性知能や流動性知能の低下が進行するという報告があります。高齢になると親しい方との死別や仕事の定年、病気の経験など抑うつ状態になる出来事がたくさんあります。このようなときに周囲からのサポートや若い頃からの経験で得た危機に立ち向かう能力があれば、抑うつ状態にならずに過ごすことができるでしょう。高齢者のうつを予防するためには以下のようなことに気をつけると良いとされています。

  1. ●多様性のある生き方をすること
  2. ●孤立しないようにすること
  3. ●あいまいさな状況に耐える能力を身につけること
  4. ●必要なときに他人に助けを求められる態度を持つこと
  5. ●過去にこだわりすぎず、今を大切にすること

高齢になってからは新しいことを挑戦しつつ、助けが必要なときは1人で抱え込まず誰かに助けを求めること、過去を後悔して生きていくのではなく今をポジティブに生きていくことが重要だと言えるでしょう。

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