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老人ホーム連続転落死で元職員逮捕。-介護ニュース


記事公開日:2016/02/17、 最終更新日:2016/02/19

老人ホーム連続転落死で元職員逮捕

川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」の元職員・今井隼人容疑者が逮捕されました。おととし11月、入居者の87歳の男性をベランダから投げ落として殺害した容疑です。その翌月にも入居者の86歳と96歳の女性が相次いで転落死。警察の捜査の結果、3人が亡くなった時間帯にすべて勤務していた今井容疑者の関与が浮上しました。

TBS系(JNN)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160216-00000063-jnn-soci

 

そもそもこの転落死、当初から不審な点がありました。

3人はどのように転落したのか、です。ベランダに設置された柵は高さ約120cmで、死亡した3人の入所者は身長が約150~160cmでした。足腰の弱った高齢者が、自分で柵を乗り越えるのは不可能です。

 

では、どうして警察は動かなかったのでしょうか。1件目の転落死が事件としてしっかり捜査されていれば、3人も犠牲者が出ることはなかったはずです。

警察は、転落による外傷以外に目立った傷がなかったことから、3件の転落死を事件か事故か不明の変死事案として処理。いずれも司法解剖をしませんでした。神奈川県警内部で情報共有がされなかったため、連続転落死とは捉えなかったのです。

 

老人ホームで働く職員や運営会社は当然、転落死が連続して起こっていることを知っていたはずです。内部に不審に思う人がいたはずです。しかし、最初の転落死から今回の逮捕までは1年以上。この老人ホームでは、今井容疑者以外にも入居者への虐待が発覚しており、80件以上もの報告があったそうです。まさか組織ぐるみの犯行なのでしょうか。

 

厚生労働省によると、特別養護老人ホームなどの介護施設で2014年度、職員による高齢者への虐待が確認されたのは300件と、2012年度と比べほぼ倍増。介護職員に占める男性の割合が約2割なのに対し、虐待者の約6割が男性でした。逮捕された今井容疑者も男性です。

 

このような事件が起こると、介護業界の過酷な勤務実態や人手不足、教育不足といった管理体制がクローズアップされます。実際、これらが要因となってストレスが増大し、虐待につながったケースはあります。しかし、夜勤が減れば、給料が上がれば、教育が十分行われれば、虐待はなくなるものでしょうか。

 

ベランダから人を投げ落としてはいけないことくらい、小学生でもわかります。わざわざ介護職の教育で行う内容ではありません。命の尊さを知っていれば、年上の人を敬う気持ちがあれば、どんなにストレスで精神的に追いこまれたとしても虐待はしないでしょう。人を傷つける前に、退職するという選択肢だってあるわけです。

 

夜勤が減ればもっと減らしてほしい…、給料が上がればもっと上げてほしい…、人の欲とはそんなものです。介護の仕事はお金のためと思って働いていたら、不満がなくなることはありません。介護施設の運営会社にしても、金儲け主義で安易に参入したなら、入居者や職員の気持ちは理解できません。

 

介護は、人と人とが向き合う仕事です。職員である前に、管理者である前に、人としてどうなのでしょうか。

虐待の問題は、介護施設の教育、人材、待遇といった管理体制よりも、もっと根深いところにあるのかもしれません。