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要介護者の人生の背景を知ること

要介護者の人生の背景を知ること

介護・福祉


記事公開日:2017/10/23、 最終更新日:2018/12/28

前回の記事

自ら老人ホーム入居を決意した理由 後編

 

今回は、私が初めて担当させて頂いたTさんとの思い出をお話したいと思います。

はじめての担当者との挨拶

 

特別養護老人ホームは終の棲家、その方にとってのお家になります。

 

たくさんのスタッフとたくさんの入居者がいる中で、入居者の生活を近くで支える存在として「担当制」を導入している老人ホームは多くあります。

 

離れて暮らす家族さんがなかなか手の届かない日常生活のこまごまとしたことを、担当スタッフがお世話させて頂くのです。

 

その老人ホームに勤めだして2か月ほど経ったころ、「しいなさんにはTさんを受け持ってもらいます」と、伝えられました。

 

初めての担当入居者ということで、比較的症状が軽度な方でした。要介護度2で杖歩行ができて、認知症は進行していましたが日常会話は可能な方でした。

 

Tさんの家族さんは娘さんがお一人しかおらず、お嫁に行かれて遠方に住んでおられ、年に一度か二度来られるかどうか……というような状態でしたから、こまごまとしたお世話をさせていただくことになりました。

 

Tさんの個人情報ファイルを読み、先輩スタッフからどんな方か話しを聞き、いざ初めての担当としての挨拶です。

 

「5分で忘れてしまうとしても、ちゃんと挨拶だけはしておくように」と言われていたので、少しばかり緊張していました。既に日々の業務でよく知っている方なのに。

 

「Tさん、こんにちは」と声をかけると、Tさんはいつも通り「こんにちは」とにこっと笑って下さいました。

 

隣に座らせて頂いて、「今日からTさんの担当になりました。これからよろしくお願いします」とご挨拶させてもらいました。Tさんはよく分からないという顔をしながらも「そう、ありがとう」とにこにこしていました。

 

Tさんは長く美容師をされていて、ご主人と二人でお店をされていました。その話題になると、

 

「あんたは若くて髪も綺麗でいいね。よくしてくれるから今度揃えてあげる」

 

と言って下さって、とても嬉しかったです。時間のある時は一緒に衣替えをした後で、髪を櫛で梳かして貰ったりしていました。お礼を言うと「どういたしまして」と、にっこりされるTさんが大好きでした。

 

要介護者の人生の背景を知ること01

美容師だった頃の習慣

 

普段は穏やかに過ごされているのですが、週に数回突然お仕事モードになる時がありました。ふっと思い出されていたのでしょう。

 

「今日は忙しいから、早くお店に行かなくちゃ」

 

そう言って、鞄を持って出口を探されるのです。

 

「Tさん、今日は月曜日。美容院はお休みの日ですよ」

 

そう声を掛けると、たいていは「あら、そうだったの」と言って、穏やかなTさんに戻られていました。

 

長く続けられた習慣が、身についておられるんですよね。

 

カレンダーが1月になれば、「そろそろ成人式の予約を確認しないと」とお帳面を探したりもしておられました。一緒に探している間に、探していたものが何か忘れてしまわれたけれど、「ありがとうね、手伝ってくれて」と言って貰えた言葉は今でも私の宝物です。

 

少しずつ、Tさんの認知症は進行していきました。美容院のことを口に出されることは減っていき、口数も減っていきました。

 

歩くことも難しくなっていき、やがてトイレにも自分1人で行けなくなってしまいました。オムツ対応で食事以外は寝たきりに近い生活となりました。

 

それでも本当に時々、オムツ交換の時に私の髪を見て「綺麗な髪…」と呟いてくれる時がありました。

 

美容師さんだった気持ちがTさんの中にまだ残っていることに、心を動かされました。それからは寝たきりでも枕元には櫛を数本置いていました。時々、櫛を握っておられる表情はきりりとしておられ、とても素敵でした。

 

その人の人生を知ることでできること

 

経験を積んだ今となれば、もっとTさんにしてあげられたことがあるように思ってしまうけれど、当時の私にTさんはたくさんのことを教えてくれました。入居されている方のそれまでの暮らしを理解し、気持ちに寄り添うことを教えてくれたのはTさんの存在でした。

 

入居施設ならではの関係だったと、他の介護施設での経験を経た今なら思います。

 

今でも、担当する方の個人情報を見る時は最初にその方がどんなお仕事をされていたのか、できる限りしっかり確認してから、コミュニケーションを取るようにしています。

 

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