グループホーム見学 後編-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十三回

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グループホーム見学 後編-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十三回

グループホーム見学 後編

介護・福祉


2017年10月25日

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グループホーム見学 前編-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十二回

なかなか人が出てこないグループホーム。

「あれ、誰もいない?」

2軒目のグループホームに定刻通りに到着した私たち姉妹は、玄関チャイムを2度鳴らしたのですが、中から人の気配がありません。3度目のチャイムを鳴らそうか躊躇っていると、ようやく誰かが近づいてきました。眠そうな40代の女性です。

「見学のぉ、かたですよね?」

どうやら、見学者についての情報共有がないまま対応に出た感じです。すでに嫌な予感。グループホーム内を案内しながら「ここまでは車で来られましたか」、「どなたが入居される予定ですか」など、ときおり質問してくるのですが、淡々とした口調は”そんなこと、ほんとは興味ないけど。一応、仕事だから訊いてる“とでも言いたげで、実に気まずい雰囲気でした。

 

グループホーム内部は、かなり老朽化しており、階段は健常者でもドキッとするくらい急な作りです。

「これって、危なくないですか?」

案内係の彼女に尋ねると「慣れました(苦笑)」と、一言。車イスや足腰の弱い方は、昇り降りをどうしてるのかという意味だったのですが、“スタッフの自分はOK”と表明したきり、それ以上の会話は無し。こんな想像力の貧困なスタッフしかいないのでは、いつか事故が起きるのではと危機感を覚えました。
グループホーム見学 後編

入居者そっちのけでカラオケ……。

2階のリビングに近づくにつれ、カラオケが聞こえてきます。賑やかなのは何よりと思いきや、先刻すれ違ったとき無視された60代の男性スタッフが『北国の春』を熱唱しているところでした。正直、入居者そっちのけで。入居者たちはというと、大型モニターに視線を向けてはいるけれど、皆、漂白したように無表情です。

それが、1軒目に見たAホームとの決定的な違いでした。こんな明るい部屋で、人が何人もいるのに、お互い誰ともつながっていない、そんな空虚が広がっていました。

 

「いろんなトコがあるんだね。良かった、見といて」

そう言うと、姉のルミコさんは室内にこもる臭いに顔をしかめました。彼女は鼻大王なのです。

 

女性スタッフは、自分が仕事をした証拠がほしいのか、私たちにパンフレットを押しつけ、イスを勧めました。しかし、ルミコさんが目顔で「もういい、帰ろう」と促したため、あたふたと暇を告げて駐車場へ向かうことに。

 

ところが、外に出てみると、やたらバタバタしています。隣接するデイサービスの送迎にぶつかったのでした。デイの男性スタッフが慌ただしくワゴン車の周りを巡りながら、利用者を車内に誘導していたのですが、まるで家畜を荷馬車に乗せるかのような号令に、言いようのない怒りを感じました。

しかも、追い立てられるような空気にすっかり飲まれた私は、焦って車に乗り込もうとして、ズズッー、コケ!勾配のある駐車場は新しく砂利を敷いたばかりだったため、足が絡み取られて、前のめりに転んでしまったのでした。その姿を誰も気に留めていないことにさらに恐怖を感じ、わなわなと震える手で車を発信させました。

つくづく、施設探しは横着せず、自分の目で確かめないとシャレにならないと痛感した一日でした。

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早まるな!墓じまい 前編-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十四回


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ミチル
埼玉在住のアラフィフ。翻訳家、ライター。 30年ほど前、育ての母を介護するため大学を 中退した元祖ヤングケアラー。現在は、縁の なかった産みの母ポキさん(83歳)が認知症 となり、2度目の介護をスタート。 都心の外資系OL生活から一転、数十年ぶりに 閉鎖的な田舎に引き戻され、七転八倒の日々。 2016年、放送大学卒業。
ウチシルベ