早まるな!墓じまい 前編-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十四回

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早まるな!墓じまい 前編-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十四回

介護・福祉


2017年11月08日

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こんにちは、ミチルです。今回は「早まるな!墓じまい」の前編をお届けします。

我が家の断捨離

最近、よく耳にする言葉に「墓じまい」があります。私自身、一体どんなものか、ぼんやりとしかイメージできなかったのですが、内容を知れば知るほど、我が家にこそ必要な「究極の断捨離」であることがわかってきました。しかし、いざ乗り出してみれば、これが一筋縄ではいかない厄介なシロモノで--。

 

私の母親であるポキさんは「本家の跡取り、墓守娘」として生まれました。彼女を知る近所の人から「真綿にくるんで育てられた一人娘」と聞いたことがありますが、実情は違ったようです。両親(私の祖父母)は、自分たちの娘が他所の子どもたちとどこか違う、今でいう発達障がいであることに気がつかなかったわけないと思うのですが、そういったことは一切“無いこと”として娘を育てたらしいのです。村の名士としての世間体や、障がい者に対する偏見が強い農村という土地柄、我が子を「アレだから」とは、何があっても認めることができなかったのかもしれません。そのせいで、ポキさんはかなり混乱した子ども時代を送り、現在のような有様になったのでした。子どもの将来を案じるなら、親は子どもの障がいと向き合うはずですが、個人の幸せより家督を継ぐことのほうが優先される時代だったのでしょう。

 

そんなわけで、親のお膳立てで2回結婚し、子をなしたポキさんではありますが、ふと気がつけば、まったく身寄りのない人となっていました。

親兄弟は当然いませんし、2人目の夫(私たち姉妹の父)の親類からは「婿にくれてやったのに殺された」と、葬儀の席で一悶着あったらしく以来絶縁。祖父母の血縁でポキさんから見れば“いとこ”に当たる人もいるはずですが、アタマの弱いポキさんを身内の恥と思ってか、大昔に縁を切られてそれっきり、今日に至るわけです。

にっちもさっちもいかなくなる前に

ポキさん自身は、しばらくすれば向こうの世界へ行ってしまうから世話がないでしょうが、問題は残される私たち姉妹です。第29回(お盆の恐怖体験-在宅介護実録 沈んだ太陽)でもお伝えしましたが、一族の墓は寺の霊園の中で最古のものだそうで、10数体の仏様が眠っています。先祖代々の墓は広大で、苔生して、いつの時代のものか読み取れないような古ぼけた墓石もあります。こんな多くのご先祖の供養を任されたところで、一族末裔は私と姉のルミコさんしかいません。なにより、2人とも独身ですから、これは切実な問題です。

私たちがこれ以上年を取り、にっちもさっちもいかなくなる前に「墓じまいしてケリをつけよう」と思い立ったのは、当然の成り行きといえます。しかし、まさか神仏のいるお寺の本堂で、地獄の釜の蓋も開くような騒ぎになるとは誰が想像したでしょうか。まさに「地獄の沙汰も金次第」。

中編へ続きます。


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ミチル
埼玉在住のアラフィフ。翻訳家、ライター。 30年ほど前、育ての母を介護するため大学を 中退した元祖ヤングケアラー。現在は、縁の なかった産みの母ポキさん(83歳)が認知症 となり、2度目の介護をスタート。 都心の外資系OL生活から一転、数十年ぶりに 閉鎖的な田舎に引き戻され、七転八倒の日々。 2016年、放送大学卒業。
ウチシルベ