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年の瀬の救急搬送-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十八回

年の瀬の救急搬送

介護・福祉


2018年01月03日

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ポキさん、救急搬送!

こんにちは、ミチルです。今回は「あのポキさんが、救急搬送!?」についてお話します。

間が悪いというか、師走のせわしないときに限って事件は勃発するようです。クリスマスイブを1週間後に控えた日曜日の昼。数日前から「入れ歯が合わなくなった」と愚痴り、お粥をチビチビ啜っていたポキさんが、突如、むせ返ったのです。

ゲホォ、ゲホォ–!!

「ほら、またぁー。だから言ったでしょ、急いで食べるなって」

私は、毎度のこととばかりに知らん顔を決めました。が、10秒、20秒経ってもポキさんの咳き込みは止む様子にありません。それどころか、ポキさんの形相が見る見る変わってきたのです。

 

慌てると救急車の呼び方がわからなくなる

ヒーッ、ヒーッ!

息も絶え絶え、白目を剥き、いつこと切れてもおかしくない事態となっていました。もはや一刻の猶予もありません。しかし、人間あせると「救急車を呼ぶ」という初歩的なことが、突如できなくなるから不思議です。我が家の電話は1階に子機、2階に親機があるのですが、古すぎて子機は常時充電していないと使いものになりません。そして、ポキさんがもがいているときに限って放電状態。急いで2階に駆け上がりましたが、パニクっているため救急車を呼ぶ番号がわからない。

「え、110?え、119?え、え、999?」

確か1階の子機の前に警察と消防の番号が貼ってあったはずと、階下のルミコさんに番号を読み上げるよう叫ぶのですが、姉は茫然自失で処置なし。私はスマホで救急車を呼ぼうと試みるのですが、どういうわけか初期画面に切り替わらない!ホームボタンを連打しても、電話アプリが出てこない!ルミコさんのガラケーは電源を切っているため立ち上がるまで30秒は必要――精神崩壊の一歩手前で消防署に繋がったのは、なんと6分後でした。

 

やっとのことで病院へたどり着くも……

救急車が到着すると、ルミコさんも同乗してそのまま搬送に。私もすぐあとを追いかけるつもりでしたが、連絡ミスにより隣市のS病院にたどり着けたのは2時間後となってしまいました。病院のロビーで、ポツンと車椅子に乗せられたポキさんの後ろ姿を見たときは胸が張り裂けそうでした。ほんの数時間前とは別人のようだったのです。

ルミコさんの話では、ICUで全身を検査され、「異常なし」と診断されたため、帰っていいと言われたというのです。S病院はTVに取り上げられるほど最新設備を誇る大病院なので、ここのお墨付きなら大丈夫だろうと処方箋をもらい、帰宅することにしました。しかし、日曜のため薬局が開いておらず、休日営業している薬局まで車で向かったのですが、信じられないことに、すでに飲み込みができなくなっているポキさんに対して、大きな錠剤の痛み止めが処方されていたのです。結局、処方薬は飲めず、帰宅後もずっと痛みを訴え続けていました。

そして、深夜再び、呼吸困難で救急車の出動。今度は喉の痛み以外にも脚のしびれを訴えたため、市内の外科病院へ搬送となりかけたのですが、救命士の「この状態で緊急性がないと判断されれば、すぐ返される可能性が高い」という言葉に、すでに医療不信になっていた私は救急車に引き取ってもらい、ポキさんにつきっきりで朝を迎える覚悟を決めました。

「痛ぇー、痛ぇー」と悲鳴を上げる彼女のそばで、まんじりともせず夜を明かし、朝一番にケアマネに連絡を取りました。

 

ケアマネさんの手はずで病院へ

幸い、私の住む町には医師会による在宅医療連携チームがあるため、ケアマネ、保健士、社会福祉主事が我が家に集結して作戦会議を開き、彼女たちの機転と見事な連携プレーにより、ポキさんは地元の総合病院に緊急ベッドが空き次第、入院できる手はずとなりました。2日間、何も食べていないポキさんは、いよいよ青色吐息です。

午後7時、とうとう病院からGoサインあり!瀕死のポキさんを車に乗せ、暗い夜道を病院めがけて走り出しました。この先、どんなことが待ち受けているのか、まったく予想もつかないまま--。

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ポキさんとのお別れ-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十九回


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ミチル
埼玉在住のアラフィフ。翻訳家、ライター。 30年ほど前、育ての母を介護するため大学を 中退した元祖ヤングケアラー。現在は、縁の なかった産みの母ポキさん(83歳)が認知症 となり、2度目の介護をスタート。 都心の外資系OL生活から一転、数十年ぶりに 閉鎖的な田舎に引き戻され、七転八倒の日々。 2016年、放送大学卒業。
ウチシルベ