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断捨離に焦りは禁物-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十七回

断捨離に焦りは禁物

介護・福祉


2017年12月20日

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早まるな!墓じまい 後編-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十六回
こんにちは、ミチルです。今回は「実家の断捨離に、焦りは厳禁!」についてお話します。

知人から聞いた失敗談

知人男性のRさんは、親の残した家が“負の遺産”となった典型例です。Rさんの父は敏腕営業マンだったそうですが、細君に先立たれて1年くらいで認知症の症状が現れてきたということでした。音楽家であるRさんは当時、海外公演や離婚、移住で多忙を極め、実家に立ち寄る暇さえなかったといいます。そして、一人暮らしの父に“異常な収集癖”の兆候を感じながらも「見て見ぬふりをしてしまった」と後悔を滲ませていました。

「ご実家が『ゴミ屋敷』になっている。近所から署名運動があり、最悪、行政執行もあり得る」と、役所から連絡が入ったときは、時すでに遅し。

殺人的スケジュールを縫って、なんとか父を特養に入れ、その間にゴミ屋敷の片付けに着手したそうですが、全部終えたのは父親が亡くなった後だったといいます。

断捨離に焦りは禁物01

葬儀の後、Rさんがガランとした庭を眺めていると、片隅にあった古い物置に目が止まったそうです。日曜大工が好きだった父が工具一式をしまっていた場所でした。

(どうせガラクタが詰まってるんだろう)

錆びついた鍵をRさんがこじ開けると--!

 

電信柱にくくり付けてあったらしい等身大の警官や工事現場でお辞儀をしている作業着姿の男性の看板、パイロンや誘導灯、社名入りヘルメットなど、うず高く積み上げられていたというのです。

恐れをなしたRさんが回収業者に速攻で連絡を入れたのも無理はありません。業者は「コレ(警察関連の品)なんか結構ネットで……」と、意味ありげに持ちかけたそうですが、一切関わりたくないと200万近く払って引き取ってもらったということでした。

後から、先祖代々の骨董品もあったことが判明したのですが、極限まで追い詰められていたRさんには親の遺品整理を冷静にするだけの時間も心身の余裕もなかったといいます。

「丸投げしたこと、今も悔やんでいる」とは本人の弁。

焦ってポキさんの宝物を……

そんな反面教師を知っているせいか、実家の片付けは、なるべく早くに取り掛かるつもりでいました。そして先週、とうとうポキさんの部屋の断捨離を敢行したのです。しかし、鬼のいぬ間の荒業で焦ってしまい、とんだ失敗をやらかしてしまいました。彼女が退職祝いに会社から贈られたプラチナのブローチや、子どもの頃に夜店で買ってもらったブリキの貯金箱と、その中に入っていた古銭も買取業者に渡してしまったのです。

「無い、無い!」

ここ何十年も、それらの存在などすっかり忘れていたはずなのに、見当たらないとわかるや気が狂ったように探し回るポキさん。その姿を不憫に感じたのですが、母娘関係が成立しないまま歳月だけが流れてしまった結果、彼女にかける言葉が見つかりません。ポキさんが亡くなってしまえば、彼女の私物はすべて処分するしかなく、それを前倒しにしたわけですが、内情を知らない他人が聞いたら、随分と冷たい娘と思うことでしょう。とにかく、知らん顔で押し通す他ないようです。

 

“イザというとき”は、突然、待ったなしにやってきます。その時ゴタゴタするのが目に見えるようなら、多少親から恨み言をいわれても、実家を身軽にしておいたほうが、よっぽど親孝行と感じています。もちろん、親が元気なうちに、彼らの許可と協力を得て、一緒に断捨離できれば理想的なのでしょうが。

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年の瀬の救急搬送-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十八回


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ミチル
埼玉在住のアラフィフ。翻訳家、ライター。 30年ほど前、育ての母を介護するため大学を 中退した元祖ヤングケアラー。現在は、縁の なかった産みの母ポキさん(83歳)が認知症 となり、2度目の介護をスタート。 都心の外資系OL生活から一転、数十年ぶりに 閉鎖的な田舎に引き戻され、七転八倒の日々。 2016年、放送大学卒業。
ウチシルベ