平成27年度の介護保険制度改正について

介護保険制度改正の動向

平成27年度（2015）、介護保険制度が改正されます。

どのような点が改正されるのかについて紹介します。

制度改正

制度改正のポイントは3つに分けることができます。

• 要支援１・２の対象者について介護保険本体の給付から訪問介護と通所介護をはずす。対応するサービスについては地域支援事業を再編成する。

・全国で平均して介護予防の利用者は全体の約27％になります。地域によっては30％にもなるところもあります。

そのうち57％が利用している訪問介護と通所介護が介護保険の本体給付から今後は外れることになります。

これまで訪問介護と通所介護を利用していた人たちに今後どのような対応をしていくのかが重要な課題となっていきます。

なお、要支援のサービスのうちで訪問介護と通所介護の給付費が介護保険事業の費用に占める割合はわずか3.3％です。要支援サービスの廃止については平成27年度からいきなりはじまるというわけではなく、自治体の準備状況に応じて27年度から3年以内に完了するという見通しで進んでいるようです。

今後具体的に方向性が示されていくでしょう。

• 個別のサービスでは通所介護の機能の改革を行う。とくに定員10人以下の小規模型に関しては地域密着型サービスへ行こうさせて今後新たな事業所開設について保険者の管理におく。

通所介護とは、現状多様化していてわかりにくいという問題があります。

既存の事業所による機能訓練等の通所介護だけではなく、NPOや民間事業者等によるミニデイサービス、コミュニティサロン、住民主体の運動や交流の場が作られることもあればリハビリや栄養、口腔ケアといった専門職が関与している教室といった形態のものもあります。

これらが多様化しすぎているので今回の改正では機能を明文化したいというねらいがあるようです。

特に10人以下の小規模型への対応がメインとなります。

通所介護の機能を機能訓練対応、認知症対応、療養対応の通所介護へ明確に改正されるようです。

こうなった場合、単に長時間のデイサーヴィスで一部機能訓練プログラムを行っているといった通所介護の介護報酬は下げられるであろうことが予想されます。

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また、小規模型通所介護は地域密着型のサービスへ移行していきます。

地域密着型のサービスになることで指定が該当の市区町村になり、整備目標数は介護保険事業計画に基づいて管理されることになります。それを超えて開設することは難しくなるということです。

• 特別養護老人ホームの入所対象者を原則、要介護３以上にする

ここのポイントは「原則」ということです。

特養は現状要介護3以上の人の利用が多いと思いますが、家族に頼れない認知症高齢者のように、在宅での生活が困難な入居者がいることも事実です。

課題は要介護2以下の在宅生活困難者の居場所の確保だと考えられるでしょう。また、施設ではない高齢者の住まいの確保も必要です。

在宅での生活継続の仕組みづくりや在宅での看取りについても今後視野に入れていく必要があります。

これらの改正を実施するためには各市区町村のトップに居る人の力量や考え方が問われてくることになります。各自治体によって異なってくる点が今後増えてくるかもしれません。

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