あごをよく使って、よく噛んで食べると消化に良いことや、満腹中枢を刺激することでムダな食べすぎの防止につながることは、とてもよく知られたことです。
身体にとって、“物をよく噛んで食べる”ということは昔から非常に重要視されてきました。
○“噛む”と脳の働き
最近では、それらのことだけでなく、脳自体にもイキイキとした刺激を与えて脳の活性化(認知症の防止)にも役立つことが分かってきています。
これらは噛むことで、脳に様々な大量の刺激が送られることと深い関係があり、脳の様々な場所に大量の血液が流れ込むことに影響します。
脳の血液の流れは脳の神経細胞の活性化に伴って増加することが分かっており、大量の間隔信号が脳に流れ込むことによって、運動の命令を出す脳の領域はもちろん、それ以外の幅広い脳の領域の神経細胞の活動が高まることが言えます。
ものを噛むことは、下から伝わる味の刺激、歯ぐきや口腔粘膜などが刺激されるだけでなく、かむ運動自体があごの関節やあごを動かす筋肉の感覚神経にも影響を与えることとなり、大脳、中脳、小脳、視床下部など脳の広い範囲が活発に活動することと繋がります。
ですから、よく噛むことは身体の健康にも必要なだけでなく、脳の健康にもとても重要な意味をもたらします。
○“噛む”のさらなる効果
さらに、よく噛むことで唾液が沢山分泌され、その中にあるホルモンや消化酵素が分泌されることで、老化防止や免疫力アップに繋がります。
○“よく噛む”ための工夫
よって、1日3回の食事でよく噛むことは非常に重要といえます。
高齢者に限らず現代の食事は昔に比べて「やわらかい物」を好む傾向にありますが、脳と身体のことを考えると、噛みごたえのある食材や大きめの具材などにカットすることも非常に重要です。
また食事以外でもガムを噛むなどで脳への刺激を送ることも役立つでしょう。
最近は砂糖を使っていないガムや入れ歯でも噛めるガムなども市販されています。
これらも上手に利用したり、毎日の食事方法を健康的に心掛け、脳を活性化させ、認知症予防に役立てましょう。