治療食で病気を治療する

治療食で病気を治療する

私たちが生きていく上で欠かせないものがあります。それは食事です。身体のさまざまな機能を働かせるためには、食事で栄養を摂取する必要があります。体調不良などで、口から食事が摂れなくなると変わりに点滴などで栄養を補わなくてはならないほど重要なのです。

さらに、食事は私たちの身体を働かせるためだけではなく、さまざまな病気を治す薬にもなります。

①身体に影響を与える食事

１日３食、バランスよく食事を摂ることは健康的な身体を維持するために重要なことです。しかし、バランスよく食事を摂ることがなかなか難しい場合もあります。特に、高齢の方は１日の食事回数が少なかったり、同じ物や長年食べてきた嗜好品ばかりに偏ってしまうことがあります。また、加齢に伴い味覚が低下してくるため濃い味付けになりがちで、このような食事が原因で病気を招いてしまうこともあります。

例えば、味の濃いものばかりを食べていると、１日の塩分摂取量が多くなります。血液の濃度を保つために血液中の水分量が増え、結果的に血液量が増えることで血圧を上げてしまいます。また脂っこいものをたくさん食べていると、血液中の脂肪分が増え、ドロドロとした血液になってしまいます。

加齢に伴い、高血圧や高脂血症、また持病を抱えている場合が多く、その身体でバランスの悪い、偏った食生活を続けていると症状や持病をさらに悪化させてしまう可能性もあるのです。

②原因を避けた治療食

高血圧、高脂血症、またそれらが原因で起こる心疾患や脳卒中など、食生活が招く症状や病気はたくさんあります。それらの病気を患ってしまった場合、一般的には薬を使った治療が行われます。

しかし、いくら薬を使って治療していても原因となった食生活が改善されていなければ、病気を治すことはできません。そのため、病気の原因となるものや悪化させる要因となるものを抑えながら、身体に必要な栄養素をバランスよく摂取できる健康的な食事を摂ることが必要になります。このような身体の状態に合わせた、治療目的の食事を治療食といいます。

入院すると、もし持病がある場合はその病気を悪化させないように病気の要因となるものを除いたり、減量してつくられた治療食が提供されます。しかし、自宅でそのような治療食をつくることはなかなか難しく、特に一人暮らしの方は、買ってきたお惣菜を数回に分けて食べたり、自分好みの味付けにしてしまいがちです。

そのような方でも、治療のための食事を摂ることができる方法があります。

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③配食サービスの賢い利用法

家族で生活してる方、夫婦で暮らしている方、ひとり暮らしの方、どなたでも利用できるのが配食サービスです。配食サービスは、さまざまな企業が提供しているため、自分にあったものを選択することができます。食事内容は、腎臓食、糖尿病食、減塩食、透析食などがそろっています。また、治療食だけではなく、刻み食やペースト食など、食べやすい形状を選択することもできます。

配食サービスを利用することのメリットは他にもあります。治療食とはいえ豊富な献立が用意されており、さまざまな食材や季節の野菜などが使用されバランスよく栄養を摂ることができます。また、高齢のために買い物が辛い、食事をつくる量が少ないので食材が余ってしまいもったいないという方や、家族に物忘れが多くなってきたのでガスを使用して欲しくないと言われる方も心配をかけることなく、バランスの良い食事を摂ることができるのです。

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