認知症でない人から考えると、認知症の方の行動は不可解思うことだらけかと思います。
そして感情的になってしまった等の悩まれているお話もよく伺います。
しかし一方で認知症の方も周りの反応を受けて、混乱が増していることもあります。
一見。不可解に見える行動の背景を理解することで、適切な対応をし、それほど悩まなくて済むこともあります。
行動別にご紹介していきたいと思います。
■トイレではないところで排泄する
様々な原因が考えられます。
その原因を見極めて、それに対する対処を1つ1つおこなっていきましょう。
【原因】
・トイレの場所が分からない
・トイレに行くまで我慢が出来ない
・違う場所をトイレだと勘違いしている
・トイレ環境やそこに行くまでなどに不快を感じている
【認知症の人の気持ち】
・探してウロウロしているうちに、我慢できなくなったのよ
・えっ!ちゃんとしたはずなのに、ここじゃなかったの?
【行動の理由】
・認知症の症状である『場所の見当識障害』があると、トイレの場所が分からなくなったり、
間違えたりすることも出てきます。
部屋の隅や廊下・階段、浴室などで排泄することはよくあることです。
・「生理的な原因」も考えられます。神経の機能障害で尿意(便意)が感じられなかったり、
膀胱炎などで排尿の回数が多く、トイレに行こうとしても間に合わない場合もあります。
【対処法】
①トイレのドアに『便所』(※昔の表現の方が良い)など大きな張り紙をする
②トイレにいくタイミングを把握して、あらかじめ誘導する
③トイレと勘違いしている場所にはトイレでないと気付く工夫をする
④トイレ環境を明るくキレイに保つ
■排泄介助について
介助が必要でも、なるべくトイレで排泄ができる手助けを心掛けるようにしましょう。
手を貸せばトイレまで歩ける場合や車椅子でトイレまで行ける場合は、
なるべくトイレで自力排泄するように促しましょう。
高齢者住宅でも、ご自身で出来ることは、出来るだけご自身で行って頂きながら、
自立への介助を行っています。
ご入居前やご入居後も高齢者住宅の職員とご本人の現状とどのような介護を望むのかなどを
話し合いながら、より良い生活が送れるように連携をとっていきましょう。