年に数件、視覚障害の方の老人ホームさがしをお手伝いすることがあります。
視覚障害は、まったく見えない方、うっすらと分かる方などひとそれぞれです。
盲養護老人ホームで生活される方もいらっしゃれば、住宅型などの有料老人ホームで生活される方もいらっしゃいます。
介護される方の気持ちに立って考えることはできますが、介護される方の気持ちはわかりません。
目が見えない方の気持ちに寄り添って(いると私は思っています)老人ホーム探しを行いますが、
目が見えない方の気持ちはわからないです。
今までは、自宅での生活だと何がどこにあるのか慣れているので生活できただろうけど、環境の違う老人ホームで生活できるのだろうか。
何が不安なのか、気持ちを教えていただけるだろうか。
いろいろと考えます。
先日、視覚障害の方と二人で見学に行くことがありました。
当初はご家族も同行される予定でしたが、急遽都合がつかなくなり、二人での見学となりました。
声や私のにおいを覚えていただこうと、見学前にもご挨拶をしておりましたが、当日はやはり緊張されているのが分かります。
いろいろと話をしてみますが、少し壁があるように感じます。
そこで私は祖母の話をしてみました。
祖母は目が悪かったのですが、実は片方はまったく見えていなかったということが亡くなった後で分かりました。
(確か障害手帳で分かったとの話です)
子どもも孫もびっくりです。
言いたくなかったのでしょうね。
ハンデだと思われたくなかったのか、ハンデだと思いたくなかったのか、子どもたちに心配をかけたくないと思ったのか。
その事実を知ったときにいろいろと考えました。
実は目が見えていなかったという話をその方にしたところ、共感していただき、祖母へ労わりの言葉をかけてくださいました。
「子どもたちに迷惑をかけたくなかったとでしょうね」
この言葉からこの方の想いがとても伝わってきました。
近々この方にまたお会いします。
品があり、お話を上手にされるので、お会いできることを楽しみにしています。
良いと思える老人ホームに出合えていますように・・。