Aさん70代後半要支援1
お子さんBさん40代
キーパーソンKさん(Bさんの兄弟)
「知的障害のあるお子さんと入れる高齢者施設を探しているのですがどこか知りませんか?」
そう言ってとある基幹相談支援センターの方から相談がありました。
同じ法人の居宅介護支援事業所の方がウチシルベを紹介してくださったそうです。
障害のあるお子さんとの相談は今までもありましたが、具体的に話が進んだことはありませんでした。
直接Kさんとやりとりをさせていただき、希望を確認しました。
今まで主に家のことやお子さんのことをされていた方が急逝されたため、生活が成り立たなくなったとのこと。
「今通っている障害者施設へ通所継続希望」こちらが第一条件でした。
いくつか心当たりを当ってみたのですがなかなかうまくいきません。
「行政と相談します」
と言ってくださった施設は通所が難しそうです。
「難しい・・」と頭を抱えているときにキーパーソンから連絡がありました。
「サ高住の入居要件を確認すると、高齢者と親族であれば入居できるとなっています。これなら入居できるのではないでしょうか」
そこでご家族から依頼があったサ高住や、私が考えていたサ高住へ確認しました。
私が相談した施設は「はい、県に届けをすれば入居可能ですよ」とすぐにお答えいただきました。
ご家族からいくつか依頼があったサ高住は制度を理解されていないのか即お断りでした。
高齢者住宅に年齢が若い方が入居される場合は、若くして入居するということでAさんもBさんも嫌な想いをされるかもしれません。
そこでKさんへ確認しました。
私「言いにくい話ですが、現在は住み慣れた地域にお住まいですので近隣の方はBさんのことをよくご存じだと思いますが、
高齢者向け住宅にBさんのような若い方が入居されると、もしかしたら入居されている方に心無い言葉をかけられるかもしれません。
障害に対する理解がない方もいらっしゃいます。AさんもBさんも辛い想いをするかもしれません。
事前に可能性があることはお伝えしておきますね」
K「そうですね。確かにそうかもしれません。でも仕方ありません。」
私「また大変失礼な話ですが、仮に数年後、Aさんが亡くなった後はBさんは退去しなければならなくなります」
K「そのあたりは大丈夫ですよ。私たち兄弟できちんとバックアップしますので」
とても申し上げにくいことでしたが良いことばかりお伝えして、入居したものの
「こんなはずじゃなかった」と悔やんでほしくありません。
そこで考えられることをお伝えしました。
Kさんが通所施設へ確認してくださっており、紹介したサ高住だとぎりぎり送迎はOKとのことでした。
いろいろな想定を踏まえ、Kさん兄弟と見学になりました。
Kさんもご兄弟も気に入ってくださり、紆余曲折を経て、入居への運びとなりました。
「困ったときにちょっとしたサポートがあれば・・」という要望のご家族の施設探しでした。