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夫婦で介護度が違う場合の老人ホームの探し方

曽根 るみ

自身も高齢の母親の介護をしながら、福岡本部にてお住まい相談員業務を高齢者家族の思いに寄り添い専門性の高い施設提案を行う。 全国の自治体・社協の講演・病院やケアマネ向けの勉強会等講師としても活躍中。

福岡市中央区にお住いの高齢者夫婦でお住いの両親を同じ老人ホームで入居させたいと娘さんからの相談があり、お父様は要介護4、お母様は要介護1でどちらも80代とのことでした。

まず、介護度の重いお父様のお体の状態を尋ねると、2か月ほど前に自宅で転倒して大腿骨骨折のためリハビリ入院中とのことで、現在車いすを利用しているがリハビリでは歩行器歩行の練習中で、かなり認知症が入院中に進んでしまい、あまり何もわかっていないほどのアルツハイマー型認知症・長谷川式3点/30点と言われたそうです。
夫婦で介護度が違う場合の老人ホームの探し方01

ほかにはお体には問題はなく、食事も食べておられる様子でした。

けれども、お風呂やトイレは自分ではできなくなり、機械浴に病院では入れてもらい、おむつ利用とのことでした。

夫婦で介護度が違う場合の老人ホームの探し方02
お母様は、要介護1ではあるけれど視力がほとんどなく、少し明かりが感じられる程度で、耳も結構遠い状態のため、慣れた自宅でも不便な生活を一人で過ごしている状態で、ヘルパーさんにお風呂に入れてもらっているとの話でした。

ただ、お母様はディサービスも嫌いで、1回試しに行っては見たが途中で帰りますと言い出して、どうにも職員さんを困らせてしまう状態でした。

最近は、お父様が入院しているため自宅に一人で一日の大半を過ごしているため、認知症が進んだ様子で、話はするけれどつじつまが合わず、最近の話は覚えていない状態になっているそうです。

娘さんは、毎日病院にお父様のところに行き、そのあとお母様の食事のお世話などに行き、夜遅くに自宅に戻ってお仕事もフルで働いているとのことでした。

そこで、まず老人ホーム探しをするにあたっては、お父様の介護を十分にできる老人ホームを選び、お母様も一緒に入居できる安全面を重視することをお勧めしました。

今回は夏も近くなってきたので、お母様の脱水が心配され、脱水による認知症の進行も考えられるので、少しでも早い老人ホーム選びをお勧めしました。

認知症が少しでも進行しないうちに、老人ホーム入所をすることで施設内のデイサービスなどを利用して、誰かと話すことや充分な水分管理ができるようにすることはとても大切です。

また、今までお世話をしていたお母様にとっては、お父様のことを気になるらしく、一緒にいたいとの願いが強いため、同じ施設に入ることで心理的にも落ち着くのではないかと思いますが、今後認知がかなり進んだご主人と一緒にいることが負担になった場合は、部屋を別にするなど違う施設でもよいかと思われます。
夫婦で介護度が違う場合の老人ホームの探し方03

夫婦二人を老人ホームに入所させることは、娘さんにとっての経済的負担が心配となり、いつまで続くかもわからない介護費用の不安は大きいとのことでした。

一度施設に入ったからと言って、一生同じ老人ホームに住むという考えではなく、お体の状態や病気の進行、経済的な問題などを考えて施設は移り変わるぐらいの気持ちで、まずは施設入居を体験して行くほうがよいのではないでしょうか。

と、娘さんの疲労の限界を考えて、アドバイスさせてもらいました。

今後の介護は専門家に任せて、娘さんはご両親それぞれの話し相手や喜ぶことをしてあげるのが一番の親孝行になると思い、娘さん自身がゆったりとした気持ちと休息をとっていただきたいとお話ししました。

これから、ご両親と娘さんのための老人ホームの見学が始まります。

 

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