国が2000年代以降、先進国で突出して長い入院日数の短縮に力を注ぐなど、高齢者療養の場を病院などから地域や家庭に転換する政策を進めた一方ご高齢の方が退院後に行き場を失う状況も増えてきました。
ほとんど治療のいらないご高齢の方が病院で暮らすことを社会的入院と言われ、厚生労働省はこうした利用の多い介護療養病床を2017年度末までになくす考えでしたが、存続させる方針に転換すると発表しました。
その理由は、在宅介護の受け入れ態勢が十分ではないからです。
なぜ退院を急がなければいけないのか?
病院の治療の目的にもよりますので、こちらをご案内します。
△急性期病院・・・
発症間もない患者のことで、一定期間集中的な治療をするための病床をもつ病院。入院期間は、一か月位を目途と設定している所が多く、早い方は一週間から二週間位で退院のケースもあります。
△亜急性期病院・・・
患者の状態にふさわしい医療を効率的に行う手段として考え出された新しい病床区分のひとつ。
亜急性期は、急性期の段階を過ぎて回復期にある病床のことを指します。
厚生労働省は、急性期について「落ち着いていた症状が急激に悪化することも含めた発症間もない患者(急性期)、または症状が不安定で回復期にある患者(亜急性期)に対して一定期間の集中的な医療を提供することで、患者の状態改善を図る病床」と定義づけています。
2か月位での退院が目途となります。
△回復期リハビリテーション病院・・・
急性期の後をうけ、患者やリスク管理に留意した多彩な訓練を集中的に提供し、日常動作の改善を中心としたリハビリテーション。
全国各地の病院に整備されつつある「回復期リハビリテーション病棟」で主に提供されます。
入院できる疾患、病状によって退院の目途が決まっています。
(集中的にリハビリを行うことで、早期の在宅復帰を目指すもので、日常動作能力の向上や寝たきり防止、足腰の筋力の向上を目的に行われます。リハビリの対象となるのは、主に三か月以内に発症した場合で、脳出血や脳梗塞等、大腿骨頚部骨折・骨盤骨折等、外科手術や心臓疾患、肺炎などの治療時の安静によって体力が衰えた場合などとされています。)
ご高齢者の方の入院の場合、退院後に生活のサポートが必要になる場合があります。退院後どのような生活を送ることができるのか前もって考えておく必要があると思います。