担当のケアマネージャーさんより、博多区にお住まいの男性75歳の方のご相談を受けました。
認知症で短期記憶が低下しており、話しはすぐ忘れる状態ですが、たばこを吸うため老人ホーム入居を考えているが、どこも断られていて困っているとの話でした。
通常は穏やかで誰からも好かれるタイプの方なのですが、たばこについてだけはとても機嫌が悪くなるそうです。夜間もたばこを吸いたくなるとだれにも止められない・・。デイサービスで職員の方が預かり、たばこを吸う時に喫煙所まで同行して渡すのですが、別の用事で少し待ってもらうと、ご立腹になる。
どこの施設もなかなか受けてくれないのには理由があります。高齢者の喫煙時は職員が同行して喫煙所に行くなど、人手がいるのが問題になるのです。特に認知症の方の場合は、火災の危険があるため自由に喫煙とはいかないのです。
博多区の住宅型有料老人ホームで問い合わせしたところ、数名の方が喫煙されるので、出来るだけ1日5本に制限してもらい、喫煙者全員で喫煙タイムを設けて、朝食後1回、昼食後1回、おやつ後1回、夕食後1回、就寝前1回、の計5回に、お願いしているそうです。
はじめはなかなか大変で、皆さんから苦情がありましたが、最近はだんだん慣れてこられたそうです。施設に入ると禁煙!では、余計に不安が増すばかりでお年寄りには、酷な話だからと この施設では協力体制を考えたそうです。
認知症の方の場合、禁煙をすすめても制御不能なほど抵抗される場合が多く、余計に不穏な精神状態が続くためご家族は疲れ果ててしまうご様子です。
どこでも、とは行きませんが本人の希望をできるだけ受け入れてくれる老人ホームをまずさがしてみて、希望の優先順位を考え直してみることもその後の快適な施設ライフにつながるのではないでしょうか。