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お元気な方の老人ホームへの入居相談

曽根 るみ

自身も高齢の母親の介護をしながら、福岡本部にてお住まい相談員業務を高齢者家族の思いに寄り添い専門性の高い施設提案を行う。 全国の自治体・社協の講演・病院やケアマネ向けの勉強会等講師としても活躍中。

お元気な方の老人ホーム入居検討のご相談がケアマネージャーさんからありました。

要支援1・98歳女性一人暮らしで自炊をされている方で、ちょうど区役所からの介護認定調査に立ち会うことになり、ご自宅に訪問。

認定調査の聴き取りにもしっかりとした会話で受け答えされていましたが、高齢による心臓肥大で午前中と夜中30分程度の動機と倦怠感がつらいとのことでした。今まで一人暮らしをできたのも団地の1階がスーパーで、団地の横に内科・整形外科眼科・耳鼻科・歯科とクリニックがある特別な環境だったからとの事です。

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しかし、最近は団地の老人会の食事会やデイサービスにも参加することができないと、外出をされない様子でした。外出しないと誰とも話すことはなくなるため、不安は大きくなります。

認知症もなく、記憶力もよいため老人ホームに入る決断がつかない。家族もかわいそうだと思いがちになります。しかし、一人では夏場の水分補給は十分にとれていないし、食事もおろそかになっているのも事実です。

朝食はパンのみ、昼食はバナナにヨーグルト、夕食は簡単におかず1品とご飯は少し。少しのおかずを何回も同じものを食べて、飽きてしまう様子。食事の支度も面倒になっていると本人の自覚もある状態でした。

ご家族の近くの老人ホームに入りたいとの本人の希望で、現在お住まいの福岡市東区から出て、糸島市の老人ホームの見学をすることになりました。

要支援1の介護認定しかないため、どこもなかなか受け入れてくれる施設はなく、2件のご見学を提案して、1件は昼食予約をして試食することになりました。

見学当日は、34度の真夏の気温でアイスボックスにお茶と冷却グッズと塩飴を準備し、高齢者の熱中症対策を万全にしてお迎えに行きましたが、車での外出は久しぶりなのよ、と言われて楽しく見学施設に到着しました。

1件目は、糸島市でも福岡市西区との境にある住宅型有料老人ホームで、90代の方でお元気な方が多く、99歳の方と同じテーブルで昼食を取りましたが、鮭の粕付け、野菜の煮物、きゅうりとちりめんじゃこの酢の物、お漬物、味噌汁、ごはんととてもおいしく完食されていました。

ご家族も一緒に召し上がり、こんなにおいしいならば私も毎日食べたいなあ。と、飽きのこない献立と味付けに満足。その後、お部屋とお風呂などを見学して、お部屋の収納が多いことやミニキッチンがあることなどが気に入られていたご様子。お風呂も旅館のお風呂のようだと気に入っていました。

施設の方は、出来るだけご本人の希望に合わせて生活できるようにとの配慮で、洗濯をご自身がしたければしてもよいし、手助けが必要な部分を職員が手伝います。と、かなり柔軟な対応でした。

2件目は、糸島市の美咲が丘駅に近い住宅型有料老人ホームで、要支援から受け入れ施設ですが、今は要支援の枠がいっぱいなので要介護が出たら受け入れたいと、介護保険の変更結果待ちでの見学となりました。

今回の見学では、本人家族共に施設を気に入っているけれど、もう少し心の準備が欲しいので、1週間ほど時間が欲しいと話していらっしゃいました。このように入居するならここがいいな。とはっきりしていても、まったく知らない地域に入居することは、本人は決断がいるかと思います。

このような場合は、施設の近くのご家族の家に泊まったり、施設に数日体験入居したりと、地域での交流の時間を取ることが、安心で快適な生活につながるのではないかと思います。

比較的お元気な方のご入居に大切な点は、住み慣れたところからの移動が受け入れられるような工夫を前もって行うことが大切でしょう。

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