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家族からのDVでの相談

曽根 るみ

自身も高齢の母親の介護をしながら、福岡本部にてお住まい相談員業務を高齢者家族の思いに寄り添い専門性の高い施設提案を行う。 全国の自治体・社協の講演・病院やケアマネ向けの勉強会等講師としても活躍中。

ケアマネージャーさんからのご相談で、緊急で自宅訪問に同席してほしいとお電話がありました。95歳女性要介護3の方が長男夫婦と同居をはじめて4か月目で、長男は70代とどちらも折り合いが悪く、高齢者親子での心の行き違いが引き金で喧嘩ばかりしていました。

けれど、ここ数日は息子がクーラーもテレビも電気もつけさせず、家中真っ暗で暑い生活を家族みんなにさせている始末。その上、お母さんの歩行器を投げつけて壊すなど、手が付けられない状態までこじれていました。

仲裁に二男を県外から他の兄弟が呼んで、何とか親子を引き離す相談が始まりました。

95歳のお母様であるため子供たちも高齢になり、子供が認知症だったり介護が必要であったりするため、理解し合うことが難しくなり家族の亀裂が起こることは多いようです。

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今回はケアマネさんと他の子供さん方に、施設に一時的に避難をされる場合も体験入所の形で施設に入所して、その間に施設が気に入る様子であれば正式入居をされることをお勧めしました。

もちろんこのお母様の場合、どこに行っても自宅に帰ると長男さんの家に帰りたがるのですが、今回ばかりは身の危険があるので、県外から来た次男も一緒に施設に宿泊することをお勧めしました。

最初は、同居のストレスを我慢していた長男ですが、高齢の母親から嫌みを常に言われて我慢の限界が来た様子でした。次第に声を荒げて怒ったり、突然家を出て2~3日帰ってこなくなったり、次第にはお母さんの話題を他の人がするだけで怒鳴り散らす始末。

母親は長男を頼りながらも、不満がある場合は、世話をしてきたことや財産の話しを持ち出して自分に優しくしてもらうための手段を何度も話しているようでした。

こういうケースは、いくら本人が長男と住みたいと言っても他の家族が説得して引き離す以外には無いように思います。このご家族の場合、何度もお母さんの意向に合わせて長男の家に同居させたため、事態が悪化してしまったんだと思います。

時にはご家族皆さんで話し合ったり、第3者の意見やアドバイスを取り入れて決断することも大切なのではないでしょうか。

高齢者の気持ちを大切にすることと、わがままに流されて行くのとは大きな違いがあるということを今回強く感じました。

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