今回のご相談は、ケアマネージャーさんを通しての相談でした。
脳梗塞で入院中の95歳女性の入居先を考えてほしい、とのことでした。
入院されているソーシャルワーカーさん、ご家族様にもお話を伺ったところ脳梗塞の後遺症として目が目にくくなったとことにより、
ご本人様が少し落ち着きがなくなっているとのことでした。手先が器用で誰とでもお話をされて、デイサービスではムードメーカーのような存在だったそうです。
それが、急に眼が見えなくなったことからくる不安からか頻尿になり夜間の眠りが浅くなったようでした。
不安感が強いようで、二日に一回、ご家族が泊まってお手洗いのお世話をされていました。
ご家族は毎日お見舞いに行き、お母様のご不安が和らぐようにお声がけをしたり、マッサージをしたりしました。
お元気なうちに一度、介護付き有料老人ホームを見学されたそうで、
見学した日は納得したものの翌日には行きたくないと話をされ、キャンセルをされた経緯もありました。
「リハビリもしてほしいけど、もう95歳なので早く退院させて落ち着かせたい」とのご家族の希望があり、
病院にも退院が早められるか確認をとり、介護付き有料老人ホームをご紹介しました。
こちらの施設でしたら、レクレーションも活発ですし、眼が見えない方にも工夫をしていただけると考えました。
ご家族様にも大変気に入っていただき、すぐにご入居へと進めました。
病院で看護師さん、作業療法士さん、ソーシャルワーカーさんと施設の方、ご家族と施設入居の前に打ち合わせをしました。
施設受け入れが可能かどうかも含めてです。
その際に施設の看護師さんが「施設へ入居と伝えるとお母様が混乱されるかもしれないので、病院をうつるくらいの話でいいですよ」と言っていただけました。
通常は「本人さんが施設入居を納得してから入居してください」と言われますので、この言葉を大変ありがたく感じました。
病院の方もご家族も喜んでおられました。
さて実際、ご入居後はとても大変だったそうです。
入院中でも大変だったので、想像していたことですが施設側は想像以上に大変だったとおっしゃっていました。
そんな大変な中でも「私たちがお引き受けした以上はお断りしません。安心して下さい」と言ってくださったのがとても心強かったです。
ご家族様からは、「まだ落ち着かないけど笑顔がでるようになった」、「昼夜逆転がなおった」と、うれしいお話を伺いました。
そして1月に入ったある日―。
別の相談で施設を訪れた際に伺ったうれしい話です。
昨晩は砲声がなかったとのこと。「だいたい大声を出される時間が分かってきたのでその前にお声掛けをしたら落ち着かるのでそのようにしています」とのこと。
「この方はただ声をあげるのではなく、『ありがとう』とかそういうことをおっしゃるんですよ、意味もなく叫んでいる訳ではないのです」とご理解いただいていました。
こういう風に、入居者一人一人に向き合っていただけて本当にありがたいですよね。
ご家族様にも「あなたに頼んでここに決めて本当に良かった」と心から満足していただけ私も本当にうれしかったです。
入院時は要介護2でしたが、施設で区分変更をしたら要介護4となりました。