グループホームへ入居された方のご家族Bさんと話をしていたときのこと。
先日、住宅型有料老人ホームへ入居が決まったAさんの話をしました。
このAさんは、キーパーソンが2,3年帰省しない間に認知症が進行していて、
親族がら「様子が変よ」と言われて、Aさんに会いに来たところ、部屋中が洋服だらけになっていたと言います。
家の中にあるクローゼットはもちろんいっぱい、部屋にも洋服があふれています。
洋服だけではなく、小物類も・・。そして、日用雑貨までもストックと呼べない数があったそうです。
お子さん夫婦がこう口にしました。
「なんであんな一流のお店の人たちが、認知症に気づかなかったのだろう。少しはおかしいと思っていたはず。
一流のお店なら、「○○さん、この前こういった洋服買われましたよね。他のにしませんか?」とか言いますよね?
それが一流でしょう?
同じような服や靴がたくさんあるんですよ。
それでも売上が大事だから、売りつけたんだろうね」
この話を聞いてとても胸が痛みました。
私はこういった話は初めてで、遠く離れて暮らすお子さんの気持ちを察するとあまりあるものがあります。
「桑野さん、遠くに暮らす両親がいるお子さんには注意するように呼び掛けたほうがいいですよ」
こう言ってくださいました。
Bさんにこの話をすると、
「ウチもあったのよ!ウチは○○よ!(とあるお店の名前)」
同じように遠く離れて暮らすBさんの親御さんは、食品売り場を歩くたびに名前で呼ばれて買わされたといいます。
「今度お子さん方帰ってくるんでしょう?といってドライフルーツなどたくさん買ってたのよ。
少しならいいけどどう考えてもおかしい。きっと気づいているはずよ。
認知症の人はね、名前を呼ばれると知っている人と思ったり、勘違いするのよ。」
複雑な気持ちになりました。
デパートだと本当にお金を持った人もたくさんいらっしゃるでしょう。
店員さんに悪意があったとは思いたくありませんが、少しはおかしいと気づくこともあるのではないでしょうか。
コンビニやスーパーの店員さんは、教えてくださいますよ。
オレオレ詐欺にあってお金をだましとられることだけが、悲しいことじゃない。
こうやって多額のお金を支払ってしまうこともとても悲しいことですよ。
相模原での施設で事件があった時、翌日には市からさすまたなど用意するように指導があったそうです。
何か事件があってから動くのではなく、こういった事例から市町村が小売店に呼びかけてもいいのではないでしょうか。